~異世代交流のお誘い~
東京亀城会ギター部はこうしてできた?
「梅津さんもギターやってるんだって?」
3年ほど前の理事会の懇親会で、宴もたけなわ、酒田の地酒等でほろ酔いのいい感じになってきたころ、大先輩の小山嘉吉さん(31回卒)にお声かけいただきました。
「こういう懇親会の場でさ、一緒に演奏とかできたら面白んじゃない?」
聞けば、本格的なクラッシックギターのフィンガーピッカーとして長年続けていらっしゃると。
以前から、31回の皆さんは、自分の両親とまったく同じ年ということもあり、ちょっと気になる先輩方でした。
特に、小山先輩は、執行理事会や理事会でも、一本筋の通ったその発言で、迷う我々に筋道を示してくれる救世主のような方です。
普段の言動から見ても、たぶんギターの腕前も、磨きに磨かれ、自他共に対してとても厳しい姿勢で臨まれているのではないかと思い、ちょっと気後れしたのを覚えています。
「いえいえ、自分、まだ楽器屋さんの初心者コースで習い始めたばっかりで、とてもとても先輩と一緒に演奏など無理ですよ」
「なあに、楽しめばいいんだよ。それに人前で演奏するときっと上達もするよ。」と優しく励ましてくれます。
その場ではなんとなく流して終わったのですが、後日、小山先輩から直接お電話をいただき、
「こないだの話なんだけど、まじめにやって見ない?」
と改めてご提案をいただきました。そこまで誘われたらちょっと流石に後に引けず、引き受けることに。
引き受けたはいいが、どうやって練習とか音合わせとかしたらいいだろう・・・。
小山先輩のご自宅は埼玉だし、こちらは多摩のはずれだし・・・。こちらから埼玉伺おうかと思っていたら、先輩から「あいだ取って新宿どう?」との提案を受けます。
なるほど、新宿いいですね。
さて、次は練習場所。
大の大人が二人でギター持って大音量で鳴らしても文句言われないところ・・・。
「あ、カラオケ屋!?」
最近は、バンド練習もできる機材がそろったカラオケ屋もあるやに聞きます。
小山先輩は特に演歌が大好き。
で、課題曲として選んでくれたのが、吉幾三の「酒よ」と往年の数々のスターが歌い継いだ「夜霧のブルース」。あとは、各々好きなのを一曲ずつソロでやろうよと。
この二曲の選曲、なかなか渋い。私もいずれも好きな曲なので、二つ返事で了解すると、後日、小山先輩からこれらの曲の譜面が送られてきました。
「あちゃー、ガチの五線譜じゃん。コード弾きしかできないので、正直譜面よめないし・・・。あ、助かった、譜面の上にコード書いてある!!」
初めての音合わせは、夏の終わりごろ。新宿駅構内の交番前に集合。
そこから、ギターを担いで近くのカラオケ屋に。
順番待ち若人の好奇の目をしり目に、二人で受付。
小さめの個室に入り、今日は暑いんでとりあえずビールでも飲みますかってことで、中ジョッキで乾杯。
「く~!旨い!」
これから指をふんだんに使うので、一杯だけに限定(笑)。
そこからまじめに音合わせ。
おー! 先輩のフィンガーピッキングに、自分の拙いコード弾きで伴奏してみる。思ったよりいい感じ!
おー。めっちゃ楽しい。。。やっぱり、ギターは音を重ねるほどにきれいになるもんだなあと、一人弾き語り指向だった自分的には目から鱗の瞬間です。
演歌や昭和歌謡ブルースのマイナーキー曲は、日本人の琴線に触れるのでしょうね。
「ここ、ストローク、わざとジャラーンってルーズに流した方が雰囲気出るってYouTubeで言ってました。」
「ここ、アルペジオにしましょうか。」
「最後、ここでじゃかじゃんで合わせましょう。」
あっという間の2時間の音合わせ。
その後、2回ほど新宿で会って練習しました。
「うん、だいたい、これだったら本番行けるんじゃないかな。」
と合格点をいただき、12月の理事会後の懇親会でお披露目です。
折角なので、曲を知ってる参加者の皆さん方に歌ってもらおうと歌詞カードも作って。
いやいや、伴奏って、こんなに楽しいんですね。
これまで2018年、2019年と二回ほど理事会後の懇親会で演奏会をやらせていただきました。2曲合奏、1曲ずつ独奏。
今年も、既に選曲開始しています。「天城越え」とか「上を向いて歩こう」とか。
正直、私、両親に対して十分な親孝行ができていなかったことを時々後悔します。
この異世代交流は、そんな親不孝だった「子供世代」の「親世代」に対する「仮想親孝行」という免罪符になってくれているのかもしれません。
続けられる限りこのイベントは続けていきたいと思います。
何か楽器始めたいけどちょっとハードルが・・・などとお思いの方、一緒にセッションしてみませんか。音合わせ含めて楽しいですよ。
新宿駅構内交番前集合!
梅津 功(58回)